獣医師のための猫の抜歯実習:癒着猫と戦おう
獣医師のための猫の抜歯実習:癒着猫と戦おう
こんにちは、院長です。
副院長、敬央先生に1日診療を任せて久しぶりの歯科実習に行ってきました。いつもは博多での実習ですが、今回は初めて東京でありました。
抜歯?そんなのしない方がいいでしょ?って思われるかもしれませんが、ネコちゃんには歯が溶けていく怖い病気が多く、しみたり、痛みが強く出てご飯が食べられないなどの症状があり、やがてはネコちゃんは弱ってしまいます。その場合は本当にやむをえず、抜歯対象になることが多いのですが、このときに歯をきれいに抜かずに一部残したり(残根といいます)するとせっかく抜歯したのに、痛みや炎症がひかないことが起こります。この原因となる溶けて脆くなった歯をいかに根を残さずに短時間に抜歯するかがとても大切です。それには技術が必要で、技術も日々進歩しています。
原因の歯の根が残ってるのに治療を終了してしまったり、歯肉を大きく切開して骨をたくさん削って無理に抜歯しても治りが悪く、ネコちゃんのお口の中の痛みは解消されません。
今回は新しいテクニックの習得、今までのテクニックの確認の為の実習でした。
講師の先生が用意してくださったキツネとネコの頭蓋骨(白骨化しています)を使わせていただき抜歯するのですが、ただ抜歯するのではなく、抜歯前にわざと歯を削り、抜歯に失敗した困難な状況を作って抜歯するのです。「丁寧に抜歯すればこんな失敗はしないだろう」との心の声をグッと抑えて朝から晩まで実習です。
目から鱗のテクニックあり、今まで使ってきたテクニックの復習あり、さらに技術が深まり明日からの治療に役立ちそうです。
写真改めて見ると残根歯小さ過ぎて写っていませんね、1mmあるかないかぐらいだからしょうがないですね。
今度は福岡で『難抜歯攻略withマイクロスコープ 歯は折れても心が折れないテクニックを身につけよう!』です。再び更なる最新の技術を学びに行ってまいります。